ニキビは、誰もが一度は経験したことのあるポピュラーな肌トラブルです。ですが、ニキビができる理由やしくみを理解している人は非常に少ないです。なんといっても、理由やしくみを知ることが的確な解決への道しるべとなりますので、ここできちんと説明しておきましょう。
ニキビはどうしてできてしまうのでしょう。最初に誤解を解くと、ニキビは必ずしも皮脂が多いからできるわけではありません。その証拠に、乾燥肌の人でも大人ニキビはできるのです。また、皮脂の少ない頬にだけできる人もいます。
ニキビができるきっかけは、毛穴の出口の角質が厚くなって、毛穴をふさいでしまうこと。ふさがれた毛穴の中では皮脂が詰まり、アクネ菌が過剰に繁殖して、ニキビになるのです。乾燥している部分にでもニキビができるのはこのためです。
昔から「アクネ菌がニキビの原因菌だから殺菌すべき」という考え方があるようです。たしかに、毛穴の中で繁殖してしまうとニキビを悪化させる一因にはなりますが、アクネ菌はそもそも皮膚の常在菌です。肌表面のバランスを正常に保つ働きを担っているので、すべて殺菌してしまうわけにはいかないのです。
では、何がニキビの原因かというと、体内バランスの乱れ、要するにホルモンバランスの乱れや免疫低下などと言われています。こういった体内バランスの乱れには、ストレスや不規則な生活、偏食、睡眠不足、運動不足なそ、生活のあらゆることが影響しています。
ニキビの原因を知りたい気持ちはよくわかりますが、あまりにも複雑にからみあっているので、原因を簡単には特定できないケースが多いのです。ニキビが慢性化している人は、スキンケアだけでは治らないことが多いので、皮膚科で早めに受診してください。
20代からできる、いわゆる「大人ニキビ」が最近とても増えています。この大人ニキビには、10代のニキビとは違う大きな特徴が2つあります。
一つはできる部位が異なる点。特に、あご周辺にできやすく、治りにくいうえ、跡が残りやすいという難点があります。
もう一つは、睡眠不足やストレスで悪化するという点です。食生活ももちろんですが、それよりも睡眠のほうがはるかに大きく影響します。いろいろなことが少しずつ積み重なって、ニキビの原因をつくり出しているのです。
たとえ昔からの習慣であっても、肌に悪そうな習慣はすべて改善していくのが美肌への第一歩です。