スキンケアの要「保湿」

スキンケア

保湿の正しい意味

保湿とは、文字通り“湿気を保つこと”。つまり肌の水分を適度に維持するためのスキンケアのことです。「なんで今さらそんなことを?」といおう人もいらっしゃるかもしれませんが、じつは保湿の意味を正しく理解している人は非常に少ないのです。 健康な肌の角層には約20~30%の水分が含まれていますが、これが20%以下になることを「乾燥肌」といいます。冬場など空気中の湿度が50%以下にな ると、角層の水分が急激に蒸発しやすくなります。肌がつっぱるなどの自覚症状が現われてきたときには、肌の水分量はわずかに10%以下になっていること も。肌から水分がなくならないようにするのが保湿の役割です。 ただし、人間の肌にはもともと水分を維持するしくみが備わっていますが、その機能は加齢とともに低下するので、それを補ってあげるのが、保湿の目的です。

化粧水=保湿という常識は捨てる

肌の水分といえば化粧水と思われがちですが、水そのものを与えても蒸発してしまうので保湿にはなりません。また化粧水が蒸発しないように乳液でフタをすれ ば保湿は万全だと考えている人も多いのですが、残念ながらそれも間違い。じつは、油分の保湿力はさほど高くありません。 本当の保湿とは、体の外から水分を取り入れるのではなく、体の内側から湧き出る水分を肌の中で保つようサポートすること。 下は、皮膚科学的にみるとポイントのずれた保湿です。それにもかかわらず、多くの方が正しいと思い込みながら実践しています。あなたも間違った常識に振り回されてはいませんか?

保湿に対する間違った常識

  • 肌がカサつくときは化粧水をたっぷりつける
  • 化粧水はシートマスクで肌にじっくり浸透させるべし
  • 化粧水が蒸発しないように油分でフタ
  • テカり、ニキビ肌なので保湿は省略してもよい
  • 肌のうるおいを逃がさないように洗顔料はしっとりタイプを選ぶ

肌のうるおいを左右する「保湿物質」の働き

うるおった肌は、正しい保湿ができている証しです。では、肌がうるおうとは、そもそもどのような状態をさすのでしょうか。 それは肌がみずから「保湿物質」をつくり、角層内に水分を蓄えておける状態のこと。保湿物質がきちんと働いていれば、湿度が0%になっても水分は蒸発しません。保湿物質をつくる力が弱まると、肌は乾燥するのです。

保湿力ナンバーワンはセラミド

角層の水分を守っている保湿物質には、じつは「皮脂」「天然保湿因子」「セラミドなどの角質細胞間脂質」の3つがあります。これらが助け合いながら、水分をキープしているのです。 角層の水分のうち80%以上はセラミドなどの角質細胞間脂質、16~17%は天然保湿因子が守っています。皮脂の果たす役割は2~3%と非常に小さく、水分を守る力はありません。セラミドなどの角質細胞間脂質が、肌の水分を守る最大のカギといえます。 本来、資質は水とは結合しません。しかし、セラミドは水と結合し、その水が湿度0%になっても蒸発せず、気温がマイナス20℃まで下がっても凍らない性質をもっています。セラミドは、あらゆる環境に対する、まさに保湿のスペシャリストなのです。 つまりセラミドをたっぷり含んだ肌は、うるおいに満ちているということになります。赤ちゃんの肌は、うるおいたっぷりのプルプル肌ですよね。じつはこれ、大人の肌に比べてセラミドの量が豊富だからなのです。

セラミドは化粧品で補える

角層の中でパワフルな水分保持力を発揮するセラミドですが、残念ながら年を重ねるごとに減ってしまいます。肌の新陳代謝の過程でつくられるものなので、代謝が活発な赤ちゃん時代がもっとも多く、それ以降は低下し続けるのです。 セラミドはコレステロールのようなものからつくられていますが、コレステロールを食事からとっても、また、じかにセラミドを飲んでもセラミドは増やせません。加齢で減っていくセラミドを体の中からつくり出すことは、とても困難です。 そこで簡単にセラミドを補えるよう開発されたのが、セラミド配合の化粧品です。これを使えば、確実に肌の水分を増やすことができます。 乾燥知らずのすこやかな美肌には、セラミド配合化粧品が必須だと覚えておいてください。

セラミド化粧品はどうやって選ぶ?

セラミドは水溶性の物質ではないので、化粧水ではなく、美容液や乳液に配合されています。セラミドと一口に言っても、さまざまな種類があり、選ぶ時に注意が必要です。 人間の皮膚には、約6種類のセラミドがあることが現在わかっています。このうちとくに保水力に優れているのは、セラミド1.2.3。このいずれかが入っているものを確実に選ぶことが最優先です。 またセラミドは、化粧品原料としても比較的高価なので、類似品もたくさん出回っています。購入するときは、きちんと成分表を確認してください。また、セラミドが入っていても、極端に安いものだと、微量しか含まれていないこともありえます。]]>

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