スポーツジムのトレーニングルームへ行くと、ベンチプレスやペックフライなどの大胸筋のバルクアップを目的とした種目ばかりをやっている人が目につきます。胸のトレーニングは各部位の中で苦しさが少なく、しかも鏡を見てその結果がすぐ確認しやすいためでしょう。
しかしこのような偏った筋の鍛え方をしていると妙な体型になるばかりではなく、胸はしっかりと発達しているのに背中は発達が遅れ、運動能力もアンバランスなものになってしまいます。
胸などと違い背中はトレーニング種目による効果の違いをしっかりと理解していなければ発達させるのは難しいです。ここでは、効果的に背中を鍛えさせるトレーニングを紹介します。
背筋に比べて大胸筋のみが発達すれば背中と肩が前に引かれ、シェイプアップどころか猫背で前かがみに丸まった、どことなく不健康な姿になる可能性さえあります。すくっとした正しい姿勢は体の前面(胸筋・腹筋など)と、背面(後背筋・脊柱起立筋・僧帽筋など)の良好な筋力バランスによって支えられているのです。
ちなみに、格好良いとされる逆三角形の体は発達した後背筋と大円筋、そして丸く盛り上がった三角筋から形成されます。
可動域は狭いものの、道具なしで背部全体に強い収縮感を得られる運動にクラブウォークがあります。
プルアップとは違って全身運動に近く、実践的なトレーニング種目です。
背中を鍛えよう、そうは思っても身近にプルアップを行う場所はそうそうみつかりません。そんなときはリーンプルアップをやってみましょう。
リーンプルアップとは鉄棒を利用した斜め懸垂のことです。肘の開き具合によって刺激を受ける部位が変わってきます。
鉄棒のバーを掴み、脇を引き締めてバーを腹部に近づけるように体を引き上げます。そうすると背筋を刺激します。三角筋後部へ効かせるには、肘を横へ大きく張り出して脇を開き、肩甲骨を寄せてバーを胸に近づけます。全身真っ直ぐに保つようにし、息は引き上げる時に吸い、下ろす時に吐いて下さい。